本を読む事は先人の歩いた道を追体験する事に他ならない。
自分では一生かかっても経験できないような事を本を読めば疑似体験できる。
そしてその疑似体験の中から経験知を得る事が出来る。
時間的にも空間的にも不可能な体験が可能になるのが読書である。
しかも本はそして活字は極めて安い費用で手に入れる事が出来る。
大学時代に一年ほど居候した叔母の家で当時中学生の従兄弟に対して本の持つ価値について話した事があった(らしい)。”活字は安い”という表現で。
最近久しぶりに会った従兄弟からその事を言われてすっかり忘れていた自分が少しばかり歯がゆい思いをした。
当時福田恒存の評論集にのめり込み、それまでの考え方が根本から変革された時期だった。
僅かに本の代金のみで先人の貴重な体験を自ら経験する事が出来るのである。
整理された分かり易いエッセンスとして提供された経験知は極めてローコストの教育実習と思えば安いモノである。偉大な思想家の思考課程とその成果としての思想さえも簡単に手に入る。
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